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会社と個人事業の違い(税金編)

会社と個人事業でのかかる税金の違い

 個人事業、会社にかかわりなく、事業活動を行うことによって利益をあげた場合はもちろんのこと、不動産などの資産を克った場合や、譲渡した場合にも、国や地方自治体に税金を納めなければなりません。

事業活動にかかる税金の種類

 事業活動を行ううえで、一般的にかかわりあうことの多い税金の種類には、次のようなものがあります。

国に納める法人税や所得税
地方公共団体に納める住民税や事業税
売上にかかる消費税や地方消費税
資産にかかる固定資産税や自動車税
文書にかかる印紙税
個人事業と会社で扱いが大きく違う税とは

それは「国に納める法人税や所得税」と「地方公共団体に納める住民税や事業税」の2つです。

まずは、納税の仕方を知る

 税金の納税の仕方には大きく分けて2種類ある。

申告納税方式

納税者が期限までに自分で税金の額を計算して税金を納める。どこからも納付書の通知はないので、自主的に税金の申告をしなければならない。会社をつくると、法人税はもちろん、事業税や住民税など、所得に課税される税金のすべてが申告納税方式になる

賦課課税方式

国や地方自治体などの課税庁が税金を計算し、納税者は課税庁から送られてきた納付書に基づいて税金を支払う。 

法人税と所得税について

 「法人税」は法人税法という法律に基づいて課税が行われます。一方、「所得税」は所得税法という法律に基づいて課税が行われます。つまり両者はまったく別の法律に基づいて課税されるということです。その結果として、支払う税金にも差異が生じてきます。
 法人税の税率は、所得が800万円を境に段階的に税率が決まっているのに対し、所得税の税率は、所得の金額によって、5%から40%まで6段階に分かれています。結果として、個人事業と会社で同じ事業活動を行い、同じ額の利益を上げても、最後に納める税金の額が違ってくるわけです。

個人事業の場合には「総合課税」と「分離課税」がある

 個人事業の場合には、所得の種類に応じて「総合課税」と「分離課税」という2通りの税金の計算のしかたがあります。上記で触れた所得税の6段階の税率は、総合課税だけに適用されるものです。ある所得(所得の種類がいくつかあるとき)が分離課税に該当する場合には、所得金額がいくらであっても、一律20%などと決められています。

会社と個人事業では決算書の作成方法が違う

 法人税と所得税で大きく異なっている点は、税率だけではありません。税金の額は、「所得の金額×税率=税額」で計算されますが、実はこの所得の金額を計算する決算書の作成のしかたに大きな違いがあります。

法人税の決算書

 法人税では、ひとつの会社に対してひとつの決算書しか作成しません。会社のすべての取引をひとつの決算書にまとめて作成します。

所得税の決算書
 

 所得税は、個人事業の1年間の所得をまずその所得の種類ごとに集計して、それぞれ決算書を作成しなければなりません。
 たとえば、事業所得以外に不動産収入がある場合、収入や経費を事業所得と不動産所得に分けて、決算書を2種類作成する必要があります。

個人事業の所得の種類がたくさんある理由

 主な個人事業の所得の種類としては、事業所得のほか、不動産所得、利子所得、配当所得、譲渡所得などがあります。これは、そもそも会社は事業活動を行って利益を追求することを前提としてつくられた団体であるのに対して、個人事業の場合には必ずしも事業活動の結果として生じたとはいえない所得もあるからです。

個人所得がいくらを超えたら法人にすればお得か

 これからお話しすることは少し難しく感じるかもしれませんが、最後の部分を覚えておいていただければ十分です。
 法人税に地方税を加えた税率のことを「実効税率」といい、中小企業の場合には、約25%程度になっています。対して、個人事業の場合には、6段階の所得税に一律10%の住民税を足せば、納税額を算出する目安とすることができます。
 

結局、個人事業で所得が330万円以上になったら、会社にしたほうが支払う税金が安くなります。

住民税と事業税

 住民税は、サラリーマンの他、個人事業主や法人も納めなければなりません。

住民税の所得割と均等割

 住民税は、所得の金額に応じて課税される「所得割」と、所得金額にかかわらず一定額を課税される「均等割」に分けて計算されます。
 個人事業でも会社でも、この均等割と所得割を合算して計算するやり方に変わりはありません。要するに、赤字の場合には、所得割の金額は0円になりますが、最低でも均等割の分の税金は納めなければならないのです。

個人と会社の住民税の金額の違い

 

  • 個人住民税の均等割の標準税率は、道府県民税で1,000円、市町村民税で3,000円ですから合計でも4,000円。
  •  法人住民税の均等割の標準税率は、資本金等の額と期末の従業者数によって変わってきます。資本金が1,000万円以下で、期末従業者の数が50人以下の場合には、道府県民税が2万円、市町村民税が5万円ですから、会社はたとえ赤字でも、最低7万円の均等割を支払わなければなりません。
個人と会社の事業税の違い

 法人事業税では、原則としてすべての収益事業に対して課税が行われますが、個人事業税では、物品販売業・飲食店行・コンサルタント業・美容業など、地方税法に具体的に限定列挙された業種のみが課税されることになります。
 個人事業税だけのメリットはほかにもたくさんあります。個人事業税には290万円の事業主控除という制度があって、所得金額が290万円以下の場合には事業税が課税されません。こういった特別な控除は、法人事業税には存在しないものです。言い換えるなら、所得が290万円以下の場合には、まだまだ法人化を考えるのは早い!といえます。

所得がいくらまでなら住民税は会社か個人か、どちらがお得か
所得が290万円以下の場合には、会社より個人のほうが税金が安くなります。また、会社にすると、最低でも7万円の住民税(均等割)を支払わなければなりません。

交際費と広告宣伝費

 事業を円滑に行っていくうえで、個人事業主や会社の役員が、取引先を接待したり飲食をともにすることは、日本では商慣行上欠くことができないものです。

「交際費」について

「得意先・仕入先その他事業に関連のある者に対する接待・供応・慰安・贈答これらに類する行為のために支出する費用」と定義されています。

「広告宣伝費」について

カレンダーや手帳などを贈与したり、一般の工場見学者などに製品の試飲・試食をさせる場合には、法人税法で「不特定多数の者に対して、広告宣伝効果を意図して支出されるもの」になりますから、交際費としないで広告宣伝費とすることができると規定されています。

交際費は必要経費として認めていない

法人の場合、交際費はほかの科目と違って、法人税を計算するときに全額を必要経費として認めていないからです。なぜならば、接待や供応には、国税当局から見た場合、(会社の役員の)個人的費用が含まれているからです。
個人事業でも、交際費・接待費は原則として、必要経費に算入できません。

損金算入限度額とは

 期末の資本金の金額が1億円を超える会社の場合には、交際費の全額を必要経費として認められていないばかりか、資本金が1億円以下の法人に対しても、年間400万円(※ただし、払った交際費のうち、自動的に10%が法人税の課税対象となる)までという限度額がもうけられています。これを「損金算入限度額」といいます。

会議費とは

 交際費と類似の科目に会議費があります。交際費と違って、会議費は支払った全額が必要経費になります。同じように飲食をした場合でも、交際費なのか会議費なのかで、結果的に支払う税金の額が違ってくるということです。

交際費におけるメリットは、個人か法人か

年間の交際費の金額が400万円以下の場合には、法人のほうがメリットが大きいということになります。

生命保険料における個人と法人の違い

 もし事業主に万が一のことがあれば、事業上の負債等が残された家族や従業員に大きな負担となることは間違いありません。そのため、最低でもこれらの負債をまかなえるだけの生命保険に加入しておくことが必要です。

個人の場合、生命保険料は所得から控除できる

 所得税法では、個人事業主が支払った生命保険料を必要経費に算入することを認めていません。
 その代わりに、「保険金・年金などの受取人を本人または親族とする生命保険契約や個人年金契約の保険料を支払った場合」には、一般の生命保険料で年間5万円、個人年金保険料で年間5万円の合計10万円を所得から控除ができる制度を設けています。これを生命保険料控除といいます。

会社の場合、生命保険料は必要経費になる

 会社を受取人にして、経営者などの役員を被保険者とする生命保険料に加入すれば、保険料の全額を必要経費に算入することもできます。
 最近では、生命保険会社がさまざまな商品を用意しています。保険料の全額を必要経費に算入することで節税対策をしておいて、解約したときには支払った保険料の90%以上が解約返戻金として戻ってくるようなタイプのものに加入するとよいでしょう。ただし、掛け捨て保険の中には、解約時期の問題で解約返戻金の金額があまりに多すぎるとして、一部を資産計上しなければならないものもあります。

会社の場合、死亡保険金や解約返戻金は収入になる

 支払った保険料を必要経費として処理した場合、戻ってきた解約返戻金や死亡保険金は会社の収入になります。その分にかかる法人税は、当然支払わなければなりません。これを「課税の繰り延べ」といます。
 死亡保険金が支払われるということは、経営者に万が一のことがあった場合ですから、受け取った保険金は、そのまま死亡退職金として遺族に支給するようにします。そうすると、プラスマイナスゼロとなるので、会社は法人税を支払う必要がなくなるのです。

会社の場合、役員の退職金は生命保険を利用できる

 会社が契約する生命保険は、役員の死亡に備えるためだけとは限りません。役員が定年退職する年にあわせて満期が訪れるように保険の設定をしておけば、役員退職金の原資にあてることも可能です。
 また、掛け捨て保険に加入して、保険料は会社の必要経費として節税しながら、経営者自ら引退を考える年にあわせて、解約返戻金の金額が大きくなるように保険の設計をする・・・ということも会社ならばこそのウルトラCです。

生命保険を利用して節税を図るなら

生命保険を利用して節税を図るなら、間違いなく会社にしたほうがメリットがあるといえます。

資産を購入した場合の個人と会社の違い

 取得価格が10万円以上の乗用車や器具・備品などの資産は、購入したときに一度に経費に算入することができません。

減価償却とは

 これらの資産は、毎年使用することによって、その価値が年々減少していくものですから、税法では、その購入費用は将来の支出を生み出すための前払い費用という考え方をします。これらの資産を「減価償却資産」といい、一定の期間の費用として配分する方法を「減価償却」といいます。

耐用年数と償却の計算

 減価償却資産を必要経費に配分すべき期間は、資産の種類ごとに税法で定められています。
 例えば、乗用車の耐用年数は6年です。個人事業でも会社でも、耐用年数は同じなので、個人事業者と法人で異なるということはありません。

計算方法
  • 定額法・・・償却の期間中、毎年の減価償却費が同額になるように計算する方法
  • 定率法・・・減価償却資産が一定の割合で減少していくように、資産の帳簿価額に一定の割合をかけて償却費を計算する方法
  •          定額法に比べて定率法のほうが、初期に減価償却費を多く計上できるので、節税の観点からすると有利といえます。

減価償却資産の償却方法

 その事業年度が開始するまで(個人の場合は、3月15日まで)に、税務署に届け出なければならないこととなっています。また、この届け出をしなかった場合には、会社は自動的に定率法が、個人は定額法が適用されます。

減価償却における節税

 最初から会社のほうが有利な扱いになっているわけですが、個人事業主があわてて償却方法の変更をしようとしても、いったん採用した償却方法は3年間変更することができないので、最初の段階でよく考えて償却方法を選択する必要があります。
 ただし定率法で計算するためには、減価償却資産の帳簿残高に償却率を掛けて計算するので、損益計算書だけでなく、貸借対照表もきちんと作成しなければなりません。個人事業主の場合には、貸借対照表を作成しなくても申告することは可能ですから、それだけ手間がふえることになります。

 

 また、定率法を採用すると、大きな資産を購入した年度だけ、経費の額が大きくなり、その分経常利益が少なくなってしまうので、銀行対策や株主対策の一環として、決算書の格付けを上げるために、あえて定額法を選択する方がよい会社もあります。

会社の場合、減価償却し損ねても大丈夫

 個人事業が不利な扱いはほかにもあります。会社の場合、ある年度で、うっかり償却費の計算を間違えて少なく計算してしまったり、会社独自の基準に基づいて、償却費を少なく計算してしまったり、会社独自の基準に基づいて、償却費を少なく計上して償却限度額いっぱいまでの償却をしなかったとしても、その分は翌年以降でも必要経費に算入できるのに対して、個人の場合には、ある年度で必要経費に算入しなかった償却費は、それ以後の年度で、費用として計上することができません。

個人と会社の自動車の必要経費扱いについて

個人場合
 

 個人が所有している乗用車について、税務署は100%を必要経費として認めることはありません。プライベートでまったく使用していないことを証明できないかぎり、たとえば、減価償却費の3割程度が家事費として否認されます。つまり、「7割は経費扱いにしていいけど、個人として使う分はダメ」という判断です。その場合、車検費用や自動車保険・自動車税・駐車場など、車にまつわるものすべてが、同じ扱いになります。
 もちろん、業種や実態に応じて否認される割合は変わってきます。要は、実際にどのくらい業務で使っているのか、証明できるかどうかです。

会社の場合

会社の場合には、たとえ月に数回程度しか載らないような場合でも、会社が所有する乗用車の減価償却費や維持費は、全額を会社の経費にすることが可能です。しかし、実は社長の家族が私的に使っている車を経費にしているような場合には、当然、税務調査で役員賞与として否認されます。

乗用車を事業用で使用するなら

使用頻度にかかわりなく乗用車を少しでも事業用に使っている場合には、絶対会社のほうが税金が安くなります。

赤字になった場合の個人と会社

 

 会社も個人事業も、毎年、収入や経費などの事業の結果をまとめた「決算書」と税金の計算をする「税務申告書」を作成して、所轄の税務署に申告しなければなりません。これが「確定申告」です。

確定申告の方法

「白色申告」と「青色申告」の2種類があります。どちらの方式を選択するかは、納税者が自由に決めることができます。

白色申告とは

 青色申告とは、以前は文字通り申告書の用紙の色が青かったため、その呼び名がつけられたものです。青色申告を選択しない場合には、自動的に白色申告になります。
 白色申告も、青色申告に対して申告書の色が白かったためにそう呼ばれるようになったものです。白色申告の場合には、青色申告で認められている優遇が受けられませんから、通常は青色申告を選択することをお勧めします。ただし、個人事業者で、過去2年間続けて、所得金額が300万円以下の場合には、白色申告だと帳簿の記帳義務が免除されます。領収書などの証 を合計して申告するだけでよいので、小規模事業者なら、事務負担を考えると白色申告のほうがメリットがあるといえます。

青色申告とは

 青色申告を選択した場合には、日々の取引を正確に記録し、その帳簿に基づいて正しく所得や税金を計算しなければなりません。また、帳簿や領収書などの証 については、7年間保存することが義務づけられています。
 青色申告をするためには、事前に所轄の税務署長に、「青色申告承認申請書」を提出して、税務署長の承認を受けなければなりません。青色申告の承認申請書の提出期限は、会社の場合には、適用を受けようとする事業年度が開始する日の前日まで(個人事業者の場合には、その年の3月15日まで)となっています。
 また、新しく会社を設立した場合には、設立の日から2か月以内(個人事業の場合には、業務を開始した日から2か月以内)に、提出しなければなりません。その代わり、青色申告には税金面でさまざまな特典が与えられています。

青色申告の特典

 青色申告の特典はたくさんありますが、主なものは以下のとおりです。

  1. 欠損金の繰越控除:ある年に赤字が出た場合、その赤字を翌年以降の黒字所得と相殺して税金を計算することができる。
  2. 欠損金の繰り戻し還付:ある年に赤字が出ても、前年が黒字だった場合には、前年の税金から赤字分の還付を受けることができる。
  3. 特別償却や法人税(所得税)の特別控除:30万円未満の減価償却資産を、一括で必要経費に算入できるなど。
  4. 税務調査での更正の制限:青色申告者に「更正」を行う場合には、納税者の帳簿類を調査し、その調査によってこれらの金額に誤りがあると認められる場合にかぎられている。また、青色申告書についての更正の通知書には、その理由を記載しなければならない。

確定申告書に記載された所得金額や税金の額が誤って計算されていたり、税務署が調査したところと異なる場合、税務署長はその申告額を正すことができます。これを「更正」といいます。
 白色申告の場合には、更正の通知書に、更正の理由を書く必要がないので、税務署は推計で更正(推計課税)することができます。青色申告の場合には、「帳簿のどこそこの処理が、こういう理由で、このように違っていたから、更正する」ということを、きちんと明記しなければなりませんから、よほど明確な証拠書類がないと、更正はしづらいという事情があります。

青色申告における個人事業特有の特典とは
  1. 青色申告特別控除:複式簿記の原則にしたがって記帳をした場合には、65万円を所得の金額から差し引くことができる(ただし、簡易簿記の場合には、控除できる金額は10万円)。
  2. 青色事業専従者給与:事業主と生計を同じくする家族従業者に対して、一般の従業員と同じように給料を支払い、必要経費とすることができる(白色申告の場合は、最高で86万円まで)。

赤字の繰り越しが会社で7年間、個人では3年間

 青色申告の特典のうち、「①欠損金の繰り越し控除」ができる期間が、個人事業では3年間ですが、会社では倍以上の7年間となっています。
 事業を行っていくうえで、業績のよい年も悪い年もあるのがあたりまえです。しかし、個人事業では、3年間で赤字を切り捨てなければなりません。また、個人の場合には、繰り越せる赤字が、事業所得や不動産所得などにかぎられています。たとえば株式投資で大きく損をした場合や、所有不動産を売却して損を出したような場合、会社のように簡単にその損失を税金で取り戻すことはできません。

業績に変動の大きい業種の場合は、会社の方が有利

年度によって、業績に変動の大きい業種の場合や株式投資などを行う場合には、赤字を繰り越す期間の長い会社のほうが有利になります。

株式などを売却した場合の個人と会社

分離課税制度とは

 個人事業主が株式などの売買で得た所得は、ほかの所得と区分して、1年間の譲渡所得などの金額に対して一律15%(上場株式については7%)の税率で所得税が課税されます。また、住民税についても、ほかの所得と区分して、一律5%(上場株式の場合には3%)の住民税が課税されます。これを「分離課税制度」といいます。

総合課税制度とは

 給与所得や、販売などの事業所得、不動産所得などは、その種類ごとに所得を計算し、これらの所得を合計して総所得金額を計算します。これを分離課税に対して、「総合課税制度」といいます。総合課税の場合、課税所得に応じて税率が、5%から40%まで幅があります。所得に応じて税率が増加することを、「累進課税」といいます。

総合課税の所得金額が330万円以上なら、分離課税のほうが税金が安い

 会社の場合、個人のように株式売買にかかる税率を事業所得と分けて計算する制度はないので、個人にだけ与えられた優遇制度ということです。

個人事業の場合、株式売買のもうけが出たら有利

 会社の場合には、法人税と地方税をあわせた、いわゆる実効税率はおおむね25%から42%程度ですので、株式などの売買で利益が出た場合には、個人事業のほうがずいぶん有利な計算になっています。
 そのうえ、個人が上場株式などを証券会社などの特定口座に預けて、源泉徴収「あり」を選択した場合、証券会社が源泉所得税の徴収を行ってくれるので、確定申告をする必要もありません。

会社の場合、株式売買の損失が出たら有利

 このように、株式の売買でもうけた場合、個人事業のほうが有利になります。逆に年間を通して損失が出た場合には、まったく反対の結果となります。なぜなら、個人は1年を通じて「株式などにかかる譲渡所得などの金額の計算上生じた損失の金額がある場合には、その損失の金額は生じなかったものとみなされる」からです。
 つまり、個人の場合、株式を売って発生した損失は、ほかの給与所得や事業所得の利益と相殺できないばかりか、その損失を翌年に繰り越すこともできません。ただし、上場株式の譲渡損にかぎり、3年間の繰り越しが認められていますが、いずれにしてもほかの所得との通算はできません。
 会社の場合には、投資であろうと事業活動でもうけた利益であろうと、全ての損益を合算して、決算で最終の所得を計算するので、株式売買で損失が出た場合でも、税金分について損失を取り戻すことができます。

結論として利益が出たときには、個人事業のほうが有利

 利益が出たときには、個人事業のほうが有利になります。税金はもうけ以上に課税されるということはありません。株式投資でもうけた場合、税金を払っても必ず手元に資金は残ります。
 一方、株式投資で大きな損失が出た場合、個人事業だったら税金面のメリットはなく、手元資金も大きく減ってしまうことになります。そう考えると、一部でも税金で取り戻すことができる会社のほうが有利といえます。

不動産を売買した場合、個人と会社

会社の場合、帳簿価額と売却額との差額で計算
 

 売買した資産が、土地やそれ以外の減価償却する資産である場合、会社の帳簿には減価償却後の金額が載っています。この帳簿価額と売却金額を比較して、利益が出ているか損が出ているかを計算します。
 土地などの非原価償却資産の場合、単純に取得価額と売却金額との差額が、利益又は損失になります。
 いずれの場合でも、その差額を、「売却益」または「売却損」として決算期末に作成する決算書に計上し、会社の最終的な利益といっしょに法人税や地方税の計算を行います。
 本来の事業で利益が出ていても、資産の売却損がある場合には、その分だけ会社の利益は減少することになります。反対に資産の売却益が大きく出ている場合でも、事業で損失が出ていれば、その分が相殺されて、その分税金が安くなります。もちろん、個人事業と違って所得の種類に応じて税率が変わるということはありません。

個人事業の場合、売却損益は譲渡所得になる

 個人事業の場合は、資産の種類に応じて計算方法や税率が異なっていますので、少し整理して考えなければなりません。
 まずは、自動車やパソコンなどの「事業用資産」を売却したときの扱いを見てみましょう。事業用資産の売却による所得の場合、その資産の売却を毎年継続的に行っているようなケースを除き、その売却損益は、事業所得ではなく、「譲渡所得」に分類されます。
 たとえば、自動車の販売業者が車を売却したら事業所得になりますが、デザイナーの人が車を売却した場合には譲渡所得になるということです。

個人事業の場合、譲渡所得には50万の特別控除がある

 これらの所得が、譲渡所得に分類されることで計算は面倒になりますが、次のようなメリットもあります。
 まず、資産の売却益が出た場合に、最高50万円を利益から控除することができます。また、この場合の譲渡所得は、ほかの所得と総合課税されるのですが、その資産を5年以上の長期にわたって保有していた場合には、2分の1の金額のみをほかの所得と合算すればよいこととされています。
 たとえば、200万で購入したゴルフ会員権が、500万円で売れた場合の課税所得を見てみます。もし、事業所得として計算した場合には、「売却価額500万円―取得価額200万円=300万円」が課税対象となります。しかし、譲渡所得として計算した場合には、「売却価額500万円―取得価額200万円―特別控除額50万円=250万」だけですみます。
 もちろん総合課税ですから、売却損が出た場合には、譲渡所得のマイナスと事業所得のプラスを損益通算することも可能です。

個人事業の場合、土地建物などは分離課税

 一方、「土地建物などの売却」を行った場合、その譲渡所得についてはほかの所得と総合しないで、その資産の所有期間に応じて一定の所得税率を掛けて計算することとなっています。これを、分離課税といいます。
「分離課税の適用のある土地建物などの売却」とは、土地、借地権、建物及びその附属設備、構築物の売却をいいます。
 売却した年の1月1日において、所有期間が5年を超える土地建物などを売却したときは、原則として一律15%の所得税と5%の地方税が課税され、所有期間が5年以下の土地建物などを売却したときには、これも原則、一律30%の所得税と9%の地方税が課税されることとなっています。

会社の場合、投資目的の不動産売買は有利

 会社の場合は、法人税と地方税をあわせた、いわゆる実効税率はおおむね25~42%程度です。
 個人事業の場合、特に5年を超えて長期に所有していた不動産売却益は、所得税と住民税を合わせて20%の税率ですむわけですから、ダンゼン個人事業のほうが有利な計算となります。一方、5年以内の短期所有していた不動産売買益は、個人だと39%の税率になりますから、中小法人と比べると、個人事業のほうが不利な計算となってしまいます。
 投資目的で不動産の売買を行う場合には、短期で売買を繰り返すことになりますから、会社のほうが有利といわざるを得ませんね。

個人事業の場合、不動産の売却村は損益通算できない

 不動産の価値が右肩上がりで上がっていく時代は終わりました。場合によっては、損失を覚悟で不動産の売却をしなければならないこともあります。「株式などを売却する場合」と同様で、1年を通じて「土地建物などにかかる譲渡所得などの金額の計算上生じた損失の金額がある場合には、その損失の金額は生じなかったもの」とみなされることになります。
 不動産の売却損が出た場合、「ほかの不動産の売却益」とは損益通算できますが、事業所得などの「ほかの所得」とは通算できません。

結論として、個人か会社か

 利益がでたときには、個人事業のほうが有利場合もありますが、会社だからといって、決してもうけた以上に税金が課税されるということはありません。資産の譲渡で設けた場合、税金を払っても必ず手元に資金は残ります。
 一方、不動産の譲渡で大きな損失が出た場合には、その損失は計り知れません。株式と違って、不動産の場合には、1年の間に何件も売却するような性質のものではありませんから、個人事業の場合、売却損を取り戻すことはほとんど不可能といっていいでしょう。そう考えると、一部でも税金で取り戻すことができる会社のほうが有利といえます。

自宅を事務所にする場合、個人か会社か

個人事業の場合、自宅が事務所なら必要経費に

 事業を行うときに、店舗や事務所を自宅とは別に借りる場合と、自宅を事務所として兼用するタイプの場合とがあります。
 個人事業の場合、自宅兼事務所(店舗)の家賃や管理費・水道光熱費などは、面積割合などの合理的基準を用いて、事業用部分と家事使用部分とに按分し、事業用部分を必要経費として計上することができます。
 また、自宅兼事務所(店舗)を個人で所有している場合だったら、水道光熱費のほかに建物の減価償却費はもちろんのこと、固定資産税や修繕費、その不動産を購入するための借入金の利子なども、事業使用割合に応じて、必要経費に算入することができます。

会社に場合、居住用の自宅を社宅扱いにできる

 会社にした場合、大きくメリットが発生するのは、自宅兼事務所のうち、居住用スペースとして使っている部分についての扱いです。
 個人事業では、自宅を事業用に使用していない場合や、自宅兼事務所の自宅部分については事業とは関係がないわけですから、家賃や減価償却費を必要経費にすることはできません。
 ところが会社の場合には、代表者の自宅を会社の社宅にすることで、家賃や保険料など、自宅にかかる費用を会社の必要経費とすることが可能になるのです。
会社 自宅を役員社宅にすることも可能
 まず、自宅が賃貸の場合には、その賃貸借契約を個人から会社に切り替えます。会社は、家賃を大家さんに支払うと同時に、役員から社宅家賃負担金として、たとえば家賃の50%を給料から天引きします。これによって、自宅家賃の半分が個人負担、残りが会社負担となります。
 会社が所有する家に、代表者などの役員が住む場合でも、適正な家賃を計算して会社に支払えば、自宅にかかる減価償却費や維持費・ローンの利息などを全額、会社の経費にすることができます。
 たとえば家賃30万円の自宅兼事務所に住んでいた場合、事業用割合50%として、まず15万円が会社の経費になります。残りの居住用家賃の15万円のうち、7万5,000円を役員の給与から天引きするとすれば、残りは居住用の7万5,000円となり、「15万円+7万5,000円=22万5,000円」を会社の経費とすることができることになります。

会社の場合、自宅を購入してしまうこともできる

 これから自宅の購入を考えている場合には、会社で購入し、それを役員社宅として貸しつけることで、さまざまなメリットが生まれます。そうすれば、建物の減価償却費や固定資産税、火災保険、不動産を購入するための借入金の利子などを、会社の経費にしてしまうことができるからです。
 しかも、不動産には担保価値がありますから、銀行から資金調達をする際にも、会社所有の不動産があると有利なのはいうまでもありませんね。

結論として、自宅を個人か会社所有かどちらがお得?

 個人事業では、居住用の家賃は必要経費に算入することはできません。また、同一生計の家族が不動産を所有している場合には、事業用の家賃すら経費にすることは認められていません。
 会社をつくることによって、はじめて同一生計の家族に支払う家賃を必要経費にすることが可能になります。何といっても、役員の自宅を社宅にして、社宅家賃を経費にできる点は、会社をつくる大きなメリットのひとつといえます。

印税や著作権使用料などが収入の大半の場合、個人か会社か

 フリーランスと呼ばれる人たちの中には、原稿料収入や著作権の使用料が売上に占める割合の多いケースがあります。しかし、こういった種類の収入は、毎年一定して発生するというより、ある年にだけ突出して発生したかと思うと、翌年には半分以下になったりということも珍しいことではありません。こういったケースだと、瞬間的に、多額の税金が発生してしまうのも特徴です。

「平均課税」とは

 こういう不安定な収入が多い人のために、所得税には「平均課税」という方法で税金を軽減できる方法があります。平均課税の方法によって計算できるのは、「変動所得」または「臨時所得」のある個人事業のみです。
 ただし、そのうち平均課税を適用できるのは、これら変動所得と臨時所得の合計額が、総所得金額(分離課税を除く)の20%以上ある場合にかぎられます。

「変動所得」とは?

 変動所得とは、下記のようなものが該当します。

  1. 漁獲・養殖から生じる所得
  2. 原稿または作曲などの報酬による所得
  3. 著作権の使用料による所得
「臨時所得」とは?

 臨時所得とは、下記のようなものが該当します。

  1. プロスポーツ選手などが受け取る契約金のうち、3年以上の専属契約に基づき受け取る一時金で、通常の報酬年額の2倍以上に相当する所得
  2. 不動産などを3年以上賃貸する場合に、一時に受け取る権利金などで年間使用料の2倍以上に相当する所得

個人事業の場合、平均課税が断然お得

 契約料などを受け取って、ある年にきゅうに収入が多くなった場合、平均課税を適用すると、変動所得・臨時所得のうち、5分の1を経済的な所得とみなして、税金の計算をすることができます。所得税は累進課税ですから、これによって本来の税率より、ぐっと低い税率で計算することが可能になります。さらに残りの5分の4にも、この低い税率を適用して、所得全体にかかる所得税の計算をします。
 また、原稿料などの変動所得は、年によって多かったり少なかったりするので、平均課税の計算に際して、過去3年間の変動所得の平均値を用いて計算します。フリーランスの場合、前2年に比べて印税収入などがだんだん増加してくるような場合には、平均課税を採用すると、通常よりかなり低い税率で税金の計算ができるというわけです。
 所得税の税率は、5%から40%までの幅があるので、たとえば、例年は300万円程度の所得の人が、急激に収入が増えて1,000万円になったとすると、通常の税金計算では33%の税率が適用されてしまいます。それが、平均課税を適用すると10%程度になるわけですから、前年や2年前との収入格差が大きいほどメリットがあります。

個人事業の場合、平均課税の選択のしかた

 平均課税を選択するためには、その年の確定申告書の欄外に「平均課税」と注記し、「変動所得・臨時所得の平均課税の計算書」という付表を添付するだけです。事前の届け出も必要なければ、連続して適用しなければならないという制限もありません。

個人事業の場合、平均課税を選択するか否かの判断

 確定申告のために、その年の収入と費用を計算して、結果的に前2年に比べて原稿料や印税などの収入が減少してしまった場合、平均課税を選択しないで、通常どおりの所得税率を適用して計算すればいいわけです。
 前年・前々年に比べて、今年は所得が減っている・・・なんて場合には、平均課税を適用すると前年の高い税率を使うので損をするのがはっきりしますが、今年に比べて前年は所得が少ないけれど、前々年は反対に多いというような場合には、翌年3月の確定申告のときに計算してみないと、どちらが有利かわからなかったりします。そういうときでも、最後に申告書を作成する段階で、通常の税金計算をするか平均課税か、どちらが有利なほうを自由に選択することが可能です。

印税収入などの変動所得が多い個人事業の場合、法人化は慎重に

 こういった特別な税金の計算方法は、所得税に特有のもので、法人税にはありません。特に、印税収入などの変動所得が多い個人事業の場合には、常に安定した収入が確保できるようになるまでは、安易に法人化を考えるのは危険です。税理士など専門家に相談して、慎重な税金のシミュレーションを行うことが必要です

給料を払って節税ができる!?

1.節税は「会社+個人」で考える

会社の場合の法人税の計算のしかた

 会社は毎年決算期末に決算書を作成し、「収入―経費=その年の利益金額」を計算します。その後、決算書で算出した利益に対して、「法人税に特有のプラスマイナス」を加えると「課税所得」となります。
 この課税所得に一律30%の税率を掛けたものが、「納めるべき法人税」ということになります。ただし、課税所得の金額が800万円以下の場合、税率18%(中小法人にかぎる)に軽減されています。

会社の場合の地方税の計算のしかた

 会社は、法人税のほかに「法人事業税」と「法人住民税」を支払わなければなりません。
 法人事業税は、会社の課税所得に応じて2.7%から5.3%の標準税率を掛けて算出します。平成20年10月以降は、さらに法人事業税に81%を掛けて計算した地方法人特別税を納税します。
 法人住民税としては、たとえば法人税に12.3%の標準税を掛けて「市町村民税」を、5%の税率を掛けた「道府県民税」を計算します。東京23区の場合には、都民税5%と特別区分12.3%をあわせた17.3%を、東京都にのみ申告・納税すればよいこととなっています。

会社の場合の考えなくてはいけない実効税率とは?

 このように会社にはさまざまな税金がかかってきますが、これらの税金をひっくるめて、「要するに、一体何%の税率が、かかっているの」かを、「実効税率」といいます。会社にかかる法人税などの実効税率は、所得や規模に応じて25%から42%ぐらいと覚えておいてください。

所得税の課税ルールを節税に利用する

 事業にかかる所得は、不動産所得・給与所得など、そのほかの所得とあわせて総合課税されます。次にこれらの「総所得金額」から、配偶者控除や医療費控除などの控除額を差し引いて「課税所得」を算出します。
 所得税は、この課税所得の金額に応じて5%から40%まで6段階の税率を適用して計算します。所得税のように、課税所得によって税率の段階が変わることを、「超過累進税率」と呼びます。超過累進税率を使用して課税されることを、「累進課税」といいます。
 

節税を考えるときは、「会社+個人=結局のところ合計で税金がいくらになるか」を計算しなくてはいけません。会社をつくると、この所得税の累進課税という性質を利用して節税することが可能となります。

 ちなみに「個人住民税」は所得に関係なく、所得に対して「一律10%」の税率を掛けて計算します(ただし、税負担調整控除あり)。

会社の場合、役員報酬を調整して節税できる

 会社にすると、事業主も会社から役員報酬という給料を受け取ります。その際、節税ポイントは以下のとおりです。そのうえ、次項で説明する「給与所得控除」の分だけ、個人事業のときに払う所得税よりも確実に所得税が安くなります。
所得税と住民税をあわせた税率を、法人税の実効税率以下になるように役員報酬の額を決める
 会社の実行税率は一番低いもので25%程度ですから、役員報酬の額を、所得税と住民税をあわせた税率が25%以下になるように設定すれば、最も節税効果が高いことになります。次項の「所得税の税率表」を確認してみるとわかりますが、給与所得が330万円以下の場合は、所得税率10%に住民税率10%を足して20%となっています。そこで、課税所得が330万円になるように、逆算して役員報酬の金額を決めます。
 もちろん、扶養家族の有無や社会保険料の金額によっても変わってきますが、給与所得控除と基礎控除だけを考慮して考えた場合、年収にして518万円までは、20%の税率に収まる計算になります。仮に、役員報酬を支払う前の会社の利益が1,000万円の場合に、この1,000万円をすべて役員報酬で支払うと、役員に対する課税所得は742万円となり、33%の所得税と住民税が課税されます。この場合には役員報酬を518万円にしておけば、会社と個人をあわせて最も低い税率を選択することになります。結果、個人事業よりも税金の額をぐっと抑えることができるのです。

節税のポイント

会社と個人の税金をあわせて、もっとも税率が低くなるように役員報酬を決めることが、確実に節税する早道です。

2.会社なら、自分に支払う役員報酬で、税金がグッと安くなる

 個人事業主が申告する所得は事業用所得として申告を行いますが、会社をつくって役員報酬をもらうようになると、自分自身の所得税に関しては、サラリーマン時代と同じ給与所得に戻ることになります。
 サラリーマンが会社から受け取る給与は給与所得に分類されます。それでは、給与所得はどのように税金の計算がされているのでしょうか。前述したとおり、事業所得は、ほかの所得とあわせて総所得金額を計算しますが、給与所得にも同じように総合課税が適用されます。

会社の場合、「収入」と「所得」の違い

 ただし事業所得を計算する場合、収入金額そのものが事業所得となるわけではありません。事業所得は、収入から必要経費を差し引いて計算します。必要経費とは、収入を上げるためにかかった費用です。
 たとえば、仕入費用や人件費、家賃、交通費、交際費などのことです。
大切なのは、税金を計算するときに、「収入と所得を使い分ける」ことです。
事業所得=収入―必要経費

給与所得者の必要経費とは?

 収入と所得を使い分けるということは、給与所得も所得ですから、同様に必要経費があるということになります。
 では、給与所得の必要経費とはどのようなものでしょうか。サラリーマンの必要経費といったら、スーツや名刺入れなどでしょうか。問題は、これらが必要経費として認められるかどうかです。答えはノーです。
 しかし、それでは余りに不公平だということで、給与所得者の場合、給与の収入に応じて、一定の計算式で求められる「給与所得控除の額」を計算し、これを収入額から控除することができます。

給与所得=給与の額面金額―給与所得控除の額

 たとえば、年収500万円の給与の場合、給与所得控除の金額は、346万円にしかなりません。差額の154万円は、いわばサラリーマンの必要経費として、課税の対象から外れていることになります。
 年末調整で会社から発行される源泉徴収票を見ると、「給与所得控除後の金額」という欄があります。ここを見ると、給与の収入金額その者に課税されているわけではないことがわかります。
 さらに、給与所得控除後の金額から、基礎控除や扶養控除などさまざまな控除が差し引かれたあとの金額が課税所得となります。最終的には、この課税所得に所得税率を掛けて、所得税の金額が決まってくるのです。

会社の場合、自分に支払った給与所得も必要経費

 個人事業主が、所得税の申告を行う場合の計算式は「個人の事業所得=収入―必要経費」でしたね。そして、この事業所得をもとに、税金の計算がされるわけです。
 会社をつくって法人税の申告を行う場合も、同じような計算をします。すなわち、「会社の所得=会社の収入―会社の必要経費」となるわけです。大事なことは、「会社の必要経費」に、事業主に支払った役員報酬が含まれるという点です。
 要するに、個人事業主は、所得に対する所得税(個人住民税)のみを納めるのに対して、会社をつくった場合、会社は、会社に対する法人税(法人住民税)を納めるだけでなく、役員報酬に対する所得税(個人住民税)も、給与から天引きして納めるということです。
 トータルで節税を考える場合、会社と個人であわせて税金がいくらになるのかを計算することがポイントです。会社をつくった場合には、結果として、個人事業よりも収入から差し引く必要経費の額が、給与所得控除の額分だけ多くなるということです。
 たとえば、売上1,000万円・経費400万円の個人事業の場合、600万円の利益に対して所得税が課税されます。会社をつくった場合、同様の条件だと、売上の1,000万円から役員報酬(500万円)を含めた経費の900万円を差し引いた、100万円の利益に対して法人税を支払うのと、個人として500万円の役員報酬から154万円の給与所得控除を引いた346万円に対する所得税を支払うことになります。すると、どうでしょう。個人事業の場合の課税所得は600万円なのに対し、会社をつくって役員報酬を支払うだけで、会社と個人をあわせた課税所得が「100万円+346万円=446万円」に減っています。
 つまり、サラリーマンの必要経費として考慮されている給与所得控除の154万円分だけ、経費が増えたことになるのです。
会社 同族会社と役員報酬の損金不算入
 このように、役員の給与所得控除額が会社の経費から二重に控除されると節税効果が大きくなるため、平成18年の税制改正で、役員報酬と会社の利益をあわせて1,600万円を超える場合、給与所得控除の金額が会社の必要経費にできなくなりました。これが「役員報酬の損金不算入」です。
 この制度は、役員の半分以上、株式のうち90%以上を同族関係者が占めている、いわゆる「特殊支配同族会社」にのみ適用されます。

節税のポイント

 

役員報酬と会社の利益の合計額が1,600万円以下の場合、会社をつくって役員報酬を支払うことで、給与所得控除により大きな節税効果を得ることができます。

3.家族に給与を支払うことで所得の分散を図る

会社の場合、累進課税と給与所得控除を最大限利用

 会社をつくって「家族にも給与を支払うことで所得の分散を図る」、これがさらに税金を安くする方法です。なぜなら、所得税は累進課税なので、事業主が1人で高額な役員報酬を受け取るよりも、家族にも役員報酬を支払うことで、1人ひとりの所得税をより低い税率で計算できるからです。
 また、給与所得控除の額を計算するときの率は、72頁の表でわかるように、給与の収入金額が低いほど、高い率を掛けて計算する(控除額が多くなる)ことになっているのも見逃せません。この両者のあわせ技を使って、家族全体の税金の額を低く抑えることが可能になります。ちなみに、家族に支払った役員報酬については、前述した役員報酬の損金不算入の対象とはなりません。

個人事業の場合、「青色事業専従者」という方法も

 個人事業でも、青色申告の場合には家族従業員を青色事業専従者にして給料を支払うこともできます。それが必要経費として認められるかどうかは、専従者給与の額が労働の対価として適正かどうかで判断されます。
 たとえば、妻が経理を担当している場合、もし経理事務スタッフを雇ったらその人にいくら支払うかを考えて、適正な金額を算定します。一般的には、妻にはせいぜい20万円程度が妥当な金額ではないでしょうか。次項で詳しくお話ししますが、ほかにもさまざまな制約があります。
会社 適正な役員報酬を支払うのが絶対条件
 代表取締役よりも、非常勤の妻のほうが高額な役員報酬を受け取ったり、離れて住んでいる両親に不相当に高額な役員報酬を支払ったりすると、租税回避行為とみなされ、「過大役員報酬」として税務調査で否認されます。
 役員報酬や役員賞与を否認されると、個人にかかる所得税はそのままに、否認された分だけ会社も法人税を支払うことになってしまいます。くれぐれも、勤務実態にあわせた適正な報酬を支払わなくてはいけません。

会社の場合、非常勤役員の役員報酬適正額とは?

 会社をつくって役員報酬を支払う場合、対価性が勘案されるのはもちろんですが、たとえ非常勤役員であっても、会社や第三者に対して役員としての責任を負わなければならないわけですから、個人の青色専従者よりも高額の役員報酬を支払うことが可能です。
 たとえば、経理・財務担当の常勤役員ともなれば、月額50万円程度を支払っても、決して不相当に高すぎるという金額ではなくなるのです。

会社の場合の社会保険と厚生年金

 給与の額に応じて金額が変わるのは、社会保険料や年金の金額も同じです。年金については、あとで詳しくお話しするので、ここでは社会保険料や年金にもメリットが出ることを覚えておいてください。
結論 会社をつくって、家族にも役員報酬を支払えば、所得税の累進課税と給与所得控除を活用して大きな節税効果を得ることができます。

4.個人事業の場合、給与を支払うにはさまざまな制約がある

個人事業の場合、親族に給与を支払うのはダメ?

 原則、所得税法では個人事業主が生計を一にする親族に給与を支払っても、必要経費としては認められません。「生計を一にする」とは、要するにオサイフがひとつだということです。
 しかし、次の場合には、特別に必要経費に算入することができます。

個人事業で白色申告者の場合

 ご主人がフリーランスの場合、奥さんが電話の対応をしたり、帳簿をつけたりするケースは多いと思います。このように、個人事業者の家族が事業に従事している場合、白色申告だと配偶者で86万、それ以外の親族で最高50万の事業専従者控除が認められます。しかし、年間ですから本当にわずかな金額ですね。

個人事業で青色申告者の場合

 青色申告の場合には、その年の3月15日まで(新規に事業をはじめる場合には、開業から2カ月以内)に、「青色申告事業専従者給与に関する届出書」を税務署に提出すれば、記載された金額の範囲内で、支払った給与の全額を必要経費に算入することができます。
 この届出書には、専従者の仕事の内容や、毎月の給料、賞与の額や賞与の支払い時期などを記載します。税務調査の際には、「青色事業専従者給与に関する届出書」に記載された金額の範囲内で、給料が支払われているか、その金額が妥当であるかが判断されます。たとえ、予想以上にもうかったからといって、あらかじめ記載された金額以上に給料を支払っても経費としては認められないので注意が必要です。

個人事業で青色事業専従者にするための要件

 生計を一にする家族が、(青色)事業専従者にするための要件は次のとおりです。

  1. 12月31日現在の年齢が15歳以上であること
  2. その年を通じて、6カ月を超える期間、もっぱら事業に従事していること

 「もっぱら」というのは、妻がほかの会社に勤めていたり、妻自身が別に個人事業を行っていて、その合間に帳簿づけの仕事を頼んだ場合には、妻に給与として現金を支払っても、それを必要経費にすることができないということです。ただし、ほかの職業に従事する時間が短いなど、事業に従事することが妨げられないと認められる場合は問題はありません。
 しかし、会社の場合だったら、同一生計のおじいちゃんやおばあちゃんが、自分でも会社を経営していたり別の会社に勤めていても、会社の仕事を少しでも手伝っていれば、当然、その分の給料を支払って必要経費にすることができるのです。
 なぜ、個人事業には、このような制約があるのでしょうか。それは、個人事業の場合、同一生計の家族に給与を払ったのか、単に生活費を渡したのかの区別ができないからです。

個人事業の場合、事業専従者は扶養家族になれない

 また、個人事業の場合、どんなに少額でも、専従者給与を払うと、その家族は配偶者控除や扶養控除の対象とすることができなくなります。
 仮に、年間10万円の金額を子どもに専従者給与として払ってしまうと、その子どもは扶養家族から外れてしまうので、かえって納税額が多くなってしまうということにもなりかねません。
 会社の場合には、妻に支払う役員報酬を103万円以下にしておけば、妻に役員報酬を支払いながら、同時に代表者の扶養家族にすることができるので、世帯全員で計算した場合、納税額を低く抑えることが可能になるのです。

個人事業の場合、そのほかの留意点

 そのほか、下記のような場合には、専従者給与は無条件に必要経費として認められないので、注意する必要があります。

  1. 専従者給与が、長期にわたり未払いの場合
  2. 専従者給与の額が、事業主の所得より多い場合
  3. 1人の人が、同時に2人以上の専従者になった場合

 会社をつくって家族を役員や従業員にした場合には、適正な金額であるかぎり当然これらの制約はありません。

節税のポイント

 個人事業でも一定の条件を満たせば、家族に払った給与を必要経費にすることはできますが、さまざまな制約があります。家族に対する給料の支払い方を自由に設計できる会社のほうが有利といえます。

5.役員報酬の決め方には、ルールがある

役員報酬を支払う場合のメリット

 役員報酬を支払ったり、家族に給料を支払うことで、税金面では多くのメリットがありますが、反面、不自由な点もたくさんあります。

個人事業の場合、余ったお金は自由に使える

 個人事業では、事業用の通帳からプライベートの通帳へ、余ったお金を自由に個人の生活費として移動することができます。予想以上にお金が残った場合、個人事業ならそっくり引き出して、趣味の車を買ったり、家族で旅行に行ったりすることも自由にできます。
会社 もうかっても会社のお金は会社のもの

会社の場合、余ったお金は自由に使えない

 会社の場合は、毎月決まった金額を事業主や家族に給料という形で支払います。会社のお金と個人のお金を混同することは許されませんから、厳密に分けて考えなければなりません。たとえ期待以上にもうかって、通帳に多額の残高が残っても、それはあくまで会社のお金ですから、事業主といえども勝手に引き出して、個人の自由に使うことは許されません。

資金繰りが厳しい→自分の給料をがまん

 事業を行っていくうえで大変なことのひとつが「資金繰り」です。業績が悪くて思うように入金がないときは、個人事業なら「しかたがない、今月は自分の取り分はなしにしよう」ですみますが、会社はそうはいきません。いったんは「未払金」として処理しておき、その後資金の調達ができたときに、あらかじめ決まった役員報酬を支払わなければなりません。

会社の場合、役員の賞与は経費にならない

 役員報酬は「定期同額」でなければならないと規定されています。さらに、「定期同額給与」に該当しないものは必要経費に算入することができないと定められています。「定期」とは、1カ月の単位で給与が支給されていること、「定期同額」とは、月ごとに支給される給与の額が一事業年度を通じて同じであるという意味です。
 ということは、役員賞与を支給しても経費にはなりません。役員賞与を経費として認めてしまうと、利益操作が自由に行われてしまうからです。

会社の場合、役員報酬変更のタイミングは年1回

 小さな会社では、通常、決算が終わった2カ月後に定期株主総会を開いて、翌年1年間の役員報酬を決定します。つまり、役員報酬は年1回、決算が終わって3カ月目に支給される報酬のときに変更するということになります。これは、株主1人、取締役1人の会社でも例外ではありません。
 期の途中で役員報酬を変更すると、増減部分の金額は、必要経費として認められないため、法人税と所得税を二重に支払うことになります。
 この規定は事業主である代表取締役だけでなく、妻や生計を一にする家族も同族会社の場合、家族の役員報酬を増減することで、会社の利益操作が容易に行えるからです。

使えるお金の自由度を考慮するなら個人

役員報酬を支払うことで節税になっても、個人事業のようにお金を自由に使えなくなるので、会社をつくるデメリットでもあります。

6.会社なら、事業主や家族に退職金を支払うことができる

会社の場合、退職金は必要経費

 会社で加入する生命保険金が満期になった場合や、解約して解約返戻金が会社に入金になった場合、これらは税金の対象となってしまいます。とはいっても、会社で性目保険に加入するのは、万が一の場合に備えるのはもちろんのこと、役員が退職する場合の退職金の原資を確保するためにも有効ですから、はずすことはできません。
 では、税金を支払うのはやむを得ないのかというと、ちゃんとうまいしくみがあります。
 日本では、退職に際して、まとまった額の退職金を支払うことが慣習化しています。事業主である社長や役員だった家族が退職する場合でも、会社が支払う退職金は会社の必要経費になります。解約返戻金などで受け取った保険金は会社の収入になりますが、退職金を支払うことでプラスマイナスゼロとなり、結果的に法人税を支払う必要がなくなります。

受け取る個人には「退職所得控除」がある

 もちろん、退職金を受け取った個人は所得税を納めなければなりません。とはいっても、退職所得は税金面ではとても優遇されています。
 まず、退職所得には勤続年数に応じて退職所得控除(「源泉徴収のための退職所得控除額の表」で確認します)があります。勤続25年の場合1,150万円までは控除があるので、退職金に税金はかかりません。また、退職所得は分離課税となっていて、所得から控除を引いて2分の1にした金額を、ほかの所得と切り離して税金の計算をします。計算は複雑ですが、要するに同じ金額を給与でもらった場合と比べると、ほんのわずかな税金を納めるだけですむということです。

会社の場合の適正な役員退職金の試算方法

 役員退職金とはいっても、やみくもにいくらでも支払うのではなく、あくまで役員退職金として適正な金額でなければなりません。その目安となるのが「功績倍率」です。
役員退職金=退職する年の月額報酬×勤続年数×功績倍率
 この方法は、実務的に多くの会社が採用しているので、同種・同規模の会社の功績倍率データを収集することができます。税法で基準が決められているわけではないので、他社の平均値を参考に会社の実績に応じて決定することになります。最近では1.5~2.5倍あたりが平均値となっています。
 たとえば、会社を興して25年後に退職する場合、毎月の役員報酬が100万円だとすると、適正な役員報酬は、「100万円×25年2.0=5,000万円」程度になります。

会社の場合の退職金の所得税を計算してみる

 退職金が5,000万円の所得税の計算をしてみましょう。まず、退職金から1,150万円の退職所得控除を引くと3,850万円になります。さらにこれを2で割るので1,925万円が所得税となります。
1,925万円に対する所得税は490万4,000円です。5,000万円の給与に対する所得税は1,537万2,000円(基礎控除のみ考慮)になるので、退職金でもらうと、なんと1,046万8,000円の節税ができたことになります。

個人事業の場合、退職金は一切認められない

 個人事業では事業主が自分に退職金を支払うことができないばかりか、どんなに長く勤めてくれたとしても、家族に対して支払う退職金は必要経費としては認められません。
 青色申告を行っている場合、事業専従者に対する給料や賞与は、一定の要件を満たせば必要経費に算入できますが、退職金までは認められていません。

7.会社なら、家族に支払う家賃や手数料を必要経費にできる

個人事業の場合、家族に対する給料以外の支払い?

 前述したように、個人事業主が生計を一にしている家族に給料を支払う場合には、さまざまな制約がありますが、条件を満たせば必要経費に算入することはできます。それでは、家族に、給料以外の支払をすることはできるのでしょうか。

個人事業の場合、家族に対する家賃の支払い

 たとえば、両親と子どもが、SOHOなどで自宅を利用しているとき、家賃を両親に支払っていれば、家賃を必要経費に算入することができるのでしょうか。
 これは、前述したとおり、両親と生計を一にしている場合には、たとえ事務所として使用している部分の家賃でも、必要経費に算入することはできません。生計が一であるということは、家族でひとつのおサイフを共有しているということですから、生活費との区別がつかないからというのがその理由です。
 たとえ同居でも、生計を一にしていない場合には、両親に支払った家賃のうち、事業用部分については必要経費に算入することができます。
 生計を一にしているかどうかの判断は、たとえば台所などの水周りが別だったり、玄関が別であるなどの、実態で判断されます。

個人事業の場合の減価償却費や固定資産税

 上記のとおり、生計を一にしている親族への支払いは、経費として認められない反面、事業主が収入を上げるために実際にかかった費用、たとえば、事務所部分の建物の減価償却費や固定資産税・マンションの管理費などについては、その不動産の名義が事業主本人でなくても、必要経費にすることができます。
 これは、不動産の持ち主が、生計を一にしている場合はもちろん、生計を別にしていても、親族だからという理由で無償で借り受けている場合でも同様です。
 一方、生計を一にしていない親への家賃を経費にしている場合には、減価償却費などの維持費は、家賃を受け取った親が、不動産所得の申告をする際の経費となります。

個人事業の場合、家族から借りた資金の利息

 生計を一にする両親などから、子どもが事業用の資金を借りるという場合もあると思います。
 お金の貸し借りをした場合には、家族といえども、きちんと「金銭消費貸借契約書」を交わし、元本の返済はもちろん、利息の返済をすることが重要です。「貸したっきり返さなくていいよ」という場合には贈与とみなされる可能性があるからです。この場合にも、生計を一にする家族に支払った利息は必要経費に算入することができません。
 もし、父親が銀行からお金を借りて子どもに貸している場合はどうでしょうか。 
 生計が別の場合には、父親に支払った利息が、そのまま子どもの必要経費になります。一方、生計を一にしている場合には、父親が銀行に支払った利息相当額についてのみ、子どもの必要経費になります。

個人事業の場合、資格を持っている家族への支払い

 では、個人事業主の妻が税理士だった場合はどうでしょう。
 個人事業主が、妻である税理士に確定申告料を支払った場合に、その手数料は必要経費に算入できるでしょうか。答えは、やはりノーです。資格を持つ家族からサービスの提供を受け、まったくの第三者と同じ金額の報酬を支払うような場合でも、その家族が生計を一にする場合には、家族への支払いを必要経費に算入することができません。

会社の場合、すべて必要経費に

 会社の場合、家賃であれば、当然支払った分は必要経費になります。
 家族から借りた資金に関しても、生計が一かどうかに関係なく、会社が家族に支払った利息は、当然、会社の必要経費になるばかりか、父親から借りたお金をまったく返済しないで、資本金に切り替えたりと、いろいろな方策をとることが可能です。
 また、資格を持つ家族への支払いについても、もちろん税理士の妻に支払う手数料は、その全額が必要経費として認められます。

給料以外の支払いを必要経費にするなら会社

 生計を一にする家族に、家賃などの給料以外の支払をする場合には、会社をつくらないと必要経費に算入することができません。

 

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TEL:0776-26-3175
受付:平日9時~18時 行政書士中出和男事務所

 

 

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